「ゆうがた5」10/2(木)+α 藤田京子
- 2014.10.04
こんにちは、「ゆうがた5」木曜日の藤田京子です。
すっかり秋ですね…。秋刀魚の塩焼きに続いて、栗ご飯に舌鼓を打つ幸せな季節。
そしてFC東京の連勝にも幸せを感じています。
そのトーキョーが4-0の快勝をおさめた柏レイソル戦が行われた9月27日。
キックオフ前に味の素スタジアムでブラインドサッカー日本代表のアジアパラ競技大会に向けた壮行試合が行われました。
初めて間近で見るブラインドサッカーは驚くことが多かった!
ボールに入っている鈴の音を頼りにプレーするのかと思っていたら、鈴の音は小さくてあまり聞こえません。
とにかくゴールキーパーと、ゴール裏に立つコーラーという指示者の声・指示で選手は動くんですね。
そして、けっこう当たりが激しい!
ドリブルで攻撃する選手を阻止しようとする守備の選手がもつれあって一緒に倒れる、ボールを追って
サイドのボードに体当たりする、なんて当たり前でした。
もちろん技術や経験も必要でしょうけれど、何より「勇気」がいちばん大切なのでは?と思います。
アジパラ競技大会は、韓国インチョンで10/18から開催、強敵は中国とのこと。
さらにチームの目標は、来年から予選が始まるリオデジャネイロ・パラリンピック出場!応援したいですね!
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さて、10/2の「ゆうがた5」〔ハートビート〕のコーナーに情報を追加してまいります。
まずは映画『悪童日記』 10/3公開スタートしました。
ハンガリー出身の亡命作家アゴタ・クリストフのベストセラー小説の映画化です。
1944年、戦争が激しくなり田舎の祖母の家に疎開した双子の少年が、貧しさと戦争という非常事態を生き抜くために、
肉体・精神を鍛えるため自らに訓練を課します。
それらは残虐ともいえる行為にエスカレートしていくのですが、双子にはただ「再び父母に会いたい」という思いと、
正義を貫く気持ちがあるだけ。
じっとこちらを見つめる瞳には、大人のウソと欺瞞を見抜いてしまう、強い力があります。怖いくらいです。
いやもう、ラストシーンは鳥肌が立つほど切なくて、しばらく立てませんでした…。
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そして、根津美術館で開催中の『名画を切り、名器を継ぐ』
サブタイトルは「美術にみる愛蔵のかたち」
日本の古美術愛好家たちが、どんなふうにコレクションを身近に置いて愛でてきたのか、
その方法や美意識をテーマにした、ちょっと変わった切り口の展覧会です。
巻き物や冊子状の書画の名品を、切って表装し床の間に飾った…このように鑑賞するための絵画の変容は、
日本では14世紀ごろから行われるようになりました。
また、茶道具の名品と言われる茶碗に金継ぎやゆがみがあることが多いのは、
傷があることでかえって趣が出る、という考え方からだといいます。
なるほど日本人にはこういう「完璧さを嫌うセンス」とでもいうものがあるんだなー、と、
改めて先人の美的感覚に教わることの多い展覧会です。
そうそう、東大寺から盗まれて粉々に割られ、鑑識がすべての破片を集めたおかげで元の形に戻ったという
「日本の警察と、復元技術あっぱれ!」な白磁の壺も大阪市立東洋陶磁美術館からやってきていますので、じっくりご覧あれ。
そして展覧会鑑賞のあとは、自然たっぷりの庭園の眺望を楽しみながらのカフェタイムもぜひ。
そういえば根津美術館のお庭を見るたびに思い出すのが、明治生まれの亡き祖母(木場の材木屋の生まれ)が
よく「青山渋谷あたりは狸の出る田舎だったのよ」と話していたこと。
狸はさすがに!?と思いますが、蚊に食われたりせぬよう、ご注意くださいね。
根津美術館『名画を切り、名器を継ぐ』 11/3(月・祝)まで開催されています。
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さて、最後に9/25にご紹介した映画2作品も、改めてご紹介しておきましょう。
リチャード・カーティス監督の『アバウト・タイム~愛おしい時間について~』
代々、家に伝わるタイムトラベルの能力を使って素敵な女性と結婚した主人公。
しかしどんなことも好転するわけではなく、誰の人生にもつらい別れが訪れる…ということを
移り変わるコーンウォールの美しい自然をバックに描いています。
カーティス監督は脚本家として『フォー・ウェディング』『ノッティングヒルの恋人』『ブリジット・ジョーンズの日記』と
多くのヒット作を手がけてきた人物。これらの作品に思い入れのあるファンなら必見です!
もうひとつ、フランス演劇界の底力を軽やかな笑いにまぶして見せる『不機嫌なママにメルシィ!』
パリの裕福な家庭に育った青年が、家族や周囲の思い込みを乗り越えて、本当の自分を探し当てる物語。
これ、監督・脚本・主演すべて俳優のギヨーム・ガリエンヌが担当する自伝的な舞台をもとにした映画で、
しかも自らギヨーム青年役と、彼が憧れるママン・母親役を両方とも演じているのがポイント!
とにかく、男性が演じているとは思えないブルジョアなママンのエレガントさに驚くばかりです!
ただしそれはこの映画のごくごく一部であって、肝となるのは自分のセクシュアリティを探すという深刻な問題を、
コメディとして客観的に描いてしまうところ。
しかも空想や一人舞台の演劇空間を挟み込みながらの展開で、奥行きの深さを感じます…さすがコメディ・フランセーズ!
妄想場面には、ミュージカル「エリザベート」ばりの皇后シシィ&ゾフィ大公妃の対決の場が出てきて大歓喜っ!
ほかにもスペインではフラメンコ「セビジャーナス」を踊っちゃうし、イギリスの学校では英国男子に恋しちゃうし、
とヨーロッパカルチャー好きな方には1粒で何度でもおいしい1本です。
おとなの皆さまの自由時間をすごす参考になれば幸いです。