「ゆうがた5」7/17(木)+α 藤田京子
- 2014.07.20
最近〈梅雨の無い場所へ行きたい病〉発症中の藤田です。
雨が降る → 湿気でヘアスタイルが決まらない → 鬱々…。
数年前にストレートパーマも試しましたが、伸びた時の処理がまためんどくさいので、二度目はないなという結論に達しました。
くせげって、ほんと、この季節は困りますよねっ。
さて、そんな憂鬱な気分を吹き飛ばしてくれる映画を7月17日の〔ハートビート〕でご紹介しました。
内容に+αしてまいりましょう。
『なまいきチョルベンと水夫さん』
1964年のスウェーデン映画で、ストックホルムの人たちが夏の間、避暑に訪れる小さな島を舞台にした物語。
島に住む女の子・チョルベンと愛犬の水夫さんを中心に、一夏に起きた「アザラシ騒動」が描かれています。
なんといっても、ヒロイン チョルベンの太陽みたいな笑顔に加えて、こどもらしい正義感と おとな顔負けの頼もしさが同居するキャラクターが魅力的!まさに「愛らしい」んです。
そして島に住むおじいさんの元へやってくる少し年下の女の子スティーナ、
夏の家を借りているメルケルさん一家の末息子ペッレとの〈年少組トリオ〉のチームワークの良さが、
なんともいえず微笑ましいのです。
特に少女2人の微妙な関係…対抗心&共感の両面がくるくる入れ替わる状況は、あるある感たっぷり。
特に〈カエルの王子さま〉のくだりは、だーいすきな場面です(ネタばれ注意)。
さらに自然に囲まれた環境に溶け込む服装や建物。
特にこどもの洋服はほとんどが水色で、紺色・ベージュでコーディネートしてあります。唯一、スティーナのタイツに差し色で使われた赤のあざやかなこと!おしゃれすぎるぞ、スティーナちゃん。
手編みのとっくりセーターやポロシャツ、胸当て付きズボン、プリーツスカートなど、形もシンプルで懐かしい。(いつのまにこども服はハデになったんでしょうね?)
今の時代、贅沢になりものがあふれすぎていて、シンプルな服や暮らし方に憧れてしまう。
確かに、北欧のインテリアやミッドセンチュリーデザインの変わらぬ人気も、この映画をみると納得です。
何より、人がお互いに思いやる気持ち(時には動物に対しても!)を思い出させてくれる、暖かい物語。
ギュッと抱きしめておきたい!そんな『なまいきチョルベンと水夫さん』は、7月19日(土)から 新宿武蔵野館で公開になっています。(全国順次公開)
そしてこの映画の原作が、またすばらしい!ということでご紹介した
アストリッド・リンドグレーン著 『わたしたちの島で』 (岩波書店)
長くつしたのピッピやロッタちゃん、名探偵カッレくんなど、個性あふれるこどもたちのヒロイン、ヒーローを生み出したスウェーデンの児童文学作家 リンドグレーンの作品なんです!
わたしは『やかまし村』シリーズのファンでした。
多くの作品が映画化されているのはもちろん、誰もが一度は読んだことのある作家ではないでしょうか。
もともとテレビドラマ用に書かれたお話で、おもにメルケルさん一家の長女マーリンから見た ウミガラス島の生活が描かれています。
人情や恋心や家族の絆や動物愛…
児童文学と絶対に侮ってはいけない、いやむしろ、おとなこそ読んだ方がいい!と思われる濃い内容でした。
ユーモアあふれる語り口で、次々起きる難問や事件を通して、心に感じるものがたくさんあるんです。
映画をご覧になって、チョルベンの世界観を好きになったら、ぜひ原作も読んでみてください!
忘れていたこどものころの思考回路を思い出し、本物の(つまり、小学生にとっての)夏休み気分に浸れること間違いなしです。
おとなのみなさまの自由時間を過ごす参考になれば幸いです。