街角レポート 前田古都
- 2015.06.02
6月になりました!
梅雨入りの気配が少しずつしてきましたね!
本日も前田古都がお届けしてきました。
お邪魔して来たのはこちら
府中市美術館です。
丁度1年ほど前の企画展でもお世話になったのですが今回は
府中ゆかりの油画家5人の作品の企画展炎の油画家5人展の中継をしてきました。
今回ご紹介した5人の画家はみな油絵の具に画家人生のすべてを捧げました。
今回の「炎」というテーマはその純粋さと強さを表すキーワードとなっているのだそう。
展示室も依然お邪魔した際のお子様に向けたガリバーの冒険展示のようなアトラクションのようなにぎやかさではなく落ち着痛空気がありました。
そのため一層そこにある画家の魂が見えてきそうな情熱であったり迫力が作品から伝わってきました。
今回の企画展に作品の並ぶ画家たちをそれぞれご紹介しましょう!
一人目に
反町博彦。
群馬県前橋市のご出身で戦後すぐに府中へアトリエを構えました。
彼の筆のタッチは線が素早く力強くそこが魅力的な画家です。
こちらの船の作品は帆柱の線のタッチがそれぞれに力強く水面に浮かぶ様子が目の前に浮かんできそうです。
晩年は視力が低下する中でそれでも描き続けたいとお弟子さんに光をあててくれとライトを持たせながら制作をしたという情熱が伺えます。
二人目に大森朔衛。
彼もまた戦争ですべてを失い残されたのは絵画への情熱だけでした。
上京してからは悲しい絵画ではなくむしろひょうひょうとした美しい絵画を残しています。
少し抽象的でふわふわとした色合いのきらめくようなポエム的な絵画が特徴的に感じました。
三人目が高森明。
この絵は今回の展示のフライヤーにも使われたもので彼の作品は海を思わせるものが多かったです。
それもそのはず、彼は北海道出身。北海の海底にしずかに佇む炎のようと今回インタビューにお答えいただいた学芸員の志賀さんはおっしゃっていました。
どの作品も非常に青が美しく涼しげな印象でした。
4人目は戸嶋靖昌
かれの炎は闇に輝く炎のよう。
人間の存在の深さを自分自身を追い込み追い込むことでこれでもかと叩きつけています。彼の作品はスペインでの制作を長らくしていたこともあり作品発表がほぼなかったのですが稲城のアトリエにはなんと1000点もの作品と資料が残っていたそう。
闇の中にモチーフを追いやり形も表情もわずかにしか見えません。実際に作品を目にすると同じ闇の黒でも光もの光らないモノと様々に塗り分けられてあり西洋画のようにみせて実は日本の水墨画に深く通じる部分がありました。
さて、最後5人目は戸嶋と同じく武蔵野美術大学にて同じ麻生三郎という有名な先生に学んでたのですが全く異なる炎を見せています。
それが保多棟人。
これは多摩市にある東京都の記念樹スダジイ。彼はこの木をいくつも作品に描いています。
大地から泉のように湧き上がる命の強さ清らかさ優しさが激しさと共にキャンバスにあらわれています。
これはまさに優しく燃え上がる命と愛の炎のように思えます。
実際に見ると木々がすぐ頬に当たって来そうな程キャンバスを抜けだしそうな迫力がありました。
それぞれの画家の持つ魂の炎を感じに是非府中市美術館に足を運んでみてください。
会期は7月の5日までです。