「ゆうがた5」4月17日(木)+α 藤田京子
- 2014.04.21
先週の「ゆうがた5」木曜日の内容に+αして参ります。
ハートビートで取り上げた映画『レイルウェイ 運命の旅路』
主人公は戦争に心を深く傷つけられた男たち。
悪夢にうなされ、悔いの念に苛まれ、それでも一歩を踏み出した勇気ある人々の、邂逅への長い長い旅…
辛いテーマですが、過去の事実を見つめ直し、未来に踏み出すことの大切さを感じます。
コリン・ファース、ニコール・キッドマン、真田広之という大スターが名前を連ねるキャスト欄に、
見慣れない日本人の名前がありました。
石田淡朗=いしだたんろう
この方、狂言師石田幸雄氏の息子さんで、幼い頃から能狂言の舞台に立ったのち、イギリスへ渡り
名門ギルドホール演劇学校で学んだ本格派です。
通訳永瀬(真田広之)の若い頃を演じていますが、もしかしたら子どもの頃の彼を
国立能楽堂の舞台で見ていたかもしれないと思うと不思議な気持ち。
近年の演劇界・映画界のボーダーレス化を実感しました。
今後どのような活動をしていくのか楽しみな若手俳優のひとり、注目です。
さてもう一つのハートビートは
『マリー・ローランサン展~女の一生~』
ローランサンといえば、ピンク、グレー、白で描かれた
美しい女性と鹿などの優雅で幻想的な絵画 というイメージでした。
この展覧会ではその生涯にスポットを当て、若い頃の自画像から画家として頭角を表し始めた頃の
ポートレート、晩年のアトリエでの制作風景の写真まで資料的な展示があることが特徴です。
女性が職業画家になるなんて論外という時代に、自身の芸術を追求しつつ、
素直な感情に従って生きた自然体の女性の姿が浮かび上がってきて、私にとってはローランサン再発見
ともいえる展覧会でした。
三鷹駅南口の目の前のビルの中にある、三鷹市美術ギャラリーで
6月22日(日)まで開催されています。
オトナのみなさまの自由時間を過ごすご参考になれば幸いです。